東京海上日動火災保険など大手4社、企業火災保険再値上げ。個人の地震保険料の所得税の控除とは?

東京海上日動火災保険など大手4社、企業火災保険再値上げ。個人の地震保険料の所得税の控除とは?

はじめに

損害保険大手4社は2021年1月に企業向けの火災保険料を全国平均で1割引き上げる方針を固めました。

今回の保険料の改定に合わせて、契約の所在地の水害の危険度に応じて保険料を変動される仕組みも導入します。

今後も値上げが続く見込みです。

これは、企業向けの火災保険の話です。

それに関連し、個人の地震保険の所得税の控除について書きます。

基本的に、地震保険は単独では契約できず、火災保険とセットで加入します。

所得税

所得税は1月~12月の収入から経費などをマイナスし所得を計算し、その所得から配偶者控除等の控除額を除き、所得税率を乗じるもととなる金額を算出します。

その控除額のなかに、地震保険料控除というものがあります。

地震保険料控除

地震保険料控除は地震保険と一定の長期損害保険契約等の損害保険料(旧長期損害保険料)が対象となります。

地震保険料
要件

本人又は本人と生活費を共有している妻などが所有している住んでいる家、生活に通常必要な家具などの生活用動産を保険や共済の対象としていること。

・地震などを原因とする火災、損壊等による損害を補填する保険金や共済金が支払われるものであること

旧長期損害保険料
要件

・平成18年12月31日までに締結した契約

・満期返戻金等のあるもので保険期間又は共済期間が10年以上の契約

・平成19年1月1日以後にその損害保険契約等の変更をしていないもの

計算

所得税

支払保険料地震保険料控除額
地震保険料50,000円以下保険料の全額
50,000円超50,000円
旧長期損害保険料10,000円以下保険料の全額
10,000円超~20,000円迄保険料×1/2+5,000円
20,000円超15,000円

住民税

支払保険料地震保険料控除額
地震保険料50,000円以下保険料×1/2
50,000円超25,000円
旧長期損害保険料5,000円以下保険料の全額
5,000円超~15,000円迄保険料×1/2+2,500円
15,000円超10,000円

複数の契約で地震保険料と旧長期損害保険料がある場合は合計して、所得税が50,000円、住民税が25,000円が限度となります。

まとめ

地震保険料控除は、基本的に毎年10月頃送られてくる保険料控除証明書をもとに計算します。

店舗兼住宅の場合は、居住用の部分のみが対象となります。

そのため、控除証明書に記載されている控除対象保険料を以下の算式により修正する必要があります。

控除証明書記載の「控除対象保険料」×住居部分の延床面積/建物全体の延床面積

居住部分以外の地震保険料は、店舗分として事業所得などの必要経費になります。

ただし、居住部分が概ね90%以上を占めるときは、この計算の必要はありません。全額を控除対象保険料に含めます。