KDDI、ジョブ型雇用導入。日本の雇用賃金体系の基本、退職金の税金の取扱いは?
- 2020.08.05
- 税金
KDDIは、7月31日に正社員13,000人にジョブ型雇用を導入すると発表しました。
専門知識を持った人材がより働きやすい環境を作るためです。
まずは、中途採用から始め、労働組合と協議をし2021年4月以降順次導入します。
今回は、人事雇用制度の見直しの一例ということで、日本型雇用制度の根幹である退職金の税金の取扱いについて書きます。
退職金
所得税の退職所得とは、退職しなければ支払われなかった仕事を辞めたことを原因として一時に支払われることとなった給与(退職手当など)に係る所得をいいます。
退職金は、長年の勤務の功労として一時に支払われるため、多額になる場合が多いです。
所得税は超過累進税率をとっており所得金額が上がれば税率も上昇します。
そのため総合課税として退職金を他の所得と合算してしまうと辞めた年の所得税だけ多額になる可能性があります。
現在、退職金は他の所得と分けて課税され、税負担が軽くなるようになっています。 そして勤務先に所定の手続きをすれば、課税関係が終了し、原則として確定申告する必要がありません。
退職所得の受給に関する申告書を提出した場合
退職所得の受給に関する申告書を勤務先に提出した場合は、原則として確定申告する必要がありません。
退職金から所得税及び復興特別所得税・住民税が源泉徴収されて支払われます。
所得税及び復興特別所得税の計算方法
- (退職金の額―退職所得控除額)×1/2=課税退職所得金額
- 課税退職所得金額×所得税の税率―控除額=所得税額
- 所得税額+所得税額×2.1%=所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額
退職所得控除額
勤続年数 | 退職所得控除額 |
20年以下 | 40万円×勤続年数 |
20年超 | 800万円+70万円×(勤続年数ー20年) |
30年勤務して退職金2500万円受け取った場合は、退職所得控除額は1,500万円となり、源泉徴収税額は約58万円となります。
住民税の特別徴収は10%で50万円となり、合計108万円マイナスして支払われます。
特定の役員に支払われる場合など例外があります。
退職所得の受給に関する申告書の提出がない場合
退職金の額から一律20.42%の所得税及び復興特別所得税が源泉徴収されます。
住民税も10%特別徴収されます。
確定申告をして精算をします。
まとめ
退職金は、退職所得の受給に関する申告書を提出し確定申告不要でも、事業などに赤字が出ている場合は確定申告をし損益通算をすることができます。
ケースバイケースで考えてください。
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